特定技能ビザ、就学で来日するネパール人への支援
なぜ日本を選ぶのか?
日本に仕事や就学で在留するネパール人は急激に増えています。
なぜ日本を選ぶのでしょうか?
日本でお金を稼ぎ、ネパールにいる家族を支援することや日本の科学・技術を専門学校や大学で学ぶ目的で日本に来ています。日本は先進国であり、治安もよいことからネパールの多くの若者はあこがれを抱いています。また日本の漫画も人気があり、それで日本に興味をもつ人も多いです。一時的な定住だけでなく、日本の永住権を得て生涯にわたって日本に住むことを考えるネパール人が増えています。
特定技能ビザとは
特定技能ビザとは、2019年4月に新設された人手不足が深刻な産業分野12種において一定の専門性、技能、日本語能力をもち、仕事の即戦力となる外国人を受け入れるビザです。現在、日本では少子高齢化が進み、人手不足が深刻になっています。特に介護、製造業、農業などの分野の人手が不足しています。外国人を採用することでこの問題を解決しようと、新たに特定技能ビザができました。特定技能試験を受け合格した人に対して発行され、将来的に永住権を得ることも可能です。
特定技能ビザで働くネパール人について
特定技能ビザで働くネパール人は現在1,401人で介護分野では896名と特に介護分野で働く人が多くなっています。(2022年6月)ネパールではこのビザが注目され、日本語学校で勉強し特定技能試験へ挑戦する若い人が多くなりました。今後、このビザで働くネパール人が増えていくと予想されます。日本で学ぶネパール人が増えており、就学ビザで日本に住むネパール人は3万2,336人です。(2022年6月)
日本への就学の課程・その後の進路
ネパールから就学するためには、ネパールで日本語学校に通い、日本に来てから日本語学校(2年程度)で学び、専門学校や大学へ進みます。その後、日本企業へ就職する人がいます。
背景
・ネパールでは日本語学校が都市部に集中しています。農村部では特定技能ビザを希望しているけれど、都市部へ住むお金がなく日本語学校へ行けない人がいます。
・日本に来てから生活様式が大きく異なり生活にとまどうことがあります。
・ネパールの主な食事はカレー味、主な宗教はヒンドゥー教と日本の文化と大きく異なります。
・漢字は日本語を学ぶ上で大きな壁になることがあります。
・仕事や学校での問題など、日本のことをよく知る相談者が身近にいないことがあります。 ・日本の大学授業料がネパールに比べ高いので支払いに困ることがあります。
問題点
・ネパールでの日本語学習が難しい。
・言葉や文化の壁により、日本の環境にうまくなじめない。
・特定技能ビザで転職を希望しているが転職の方法がわからない。
・希望の進路へ進めない、進む方法がわからない。
・学費などの問題。
このように問題を抱えるネパール人が増えています。
あなたの描く夢が叶うと信じたい
「あなたは、日本で働きたいですか?」
この質問にほとんどの若者が手を挙げました。
ネパール国内の出稼ぎ支援説明会での一場面です。ネパール人の若者達は、日本へ大きな夢と希望をもって日本を目指します。多くの若者はネパールを出て働きたい、手に職をもちたいという願いをもち技能実習生や留学生となる事を希望します。将来的にはネパールへ戻り仕事を発展させることを視野に入れている若者がほとんどです。“技術を学び母国に持ち帰ること”を目的とした技能実習制度や、人手不足の分野で始まった“特定技能”などで日本に入国した外国人は、自国に残した家族への送金の負担と日本での生活苦を経験しています。
コロナ禍で先の見通しが立たない時期には「借金だけが残ってしまった」「送金ができなくなった」など入国制限や、円安の影響を受けて自国に送金ができなくなる外国人が相次ぎました。ネパールでは、ネパールルピーに両替するとこれまでと比較して約3割も目減りしてしまい、アルバイトを増やしたり、留学生ではなく労働者へ変更しなければならない状況も生じました。
1人の留学生のお話
外国人技能実習生や留学生の中には、厳しい状況を今も経験している人たちがいます。
ラクシュミさんは7人兄弟姉妹の長女で、日本に来るために親や本人は多額の借金を負って来日しました。日本での生活、介護という重労働にも人一倍の努力をして、少しずつ適応してきました。しかし、Covid-19の拡大による影響で、円安となりコンビニエンスストアでのバイトを増やさざるを得ない状況となってしまいました。毎日夜の9時から朝の5時まで働き、仮眠して8時半には実習に臨む毎日が続いています。特に、介護職での技能実習は、高い日本語力が求められます。勉強時間も削れず、睡眠時間を削って励んでいるのです。